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「青空」に届け

8/17。13時。
語り部・神保悟志さん。大和少年・佐藤晴美さん。麦・飯島直子さん。小太郎・松田凌くん。



不安で頭がどうにかなりそうだと飯島さんが言いました。
8/11日に小太郎役で出演した神保さんですがこの日は膨大な文字量の語り部なので楽屋入りから緊張が隠せません。
初朗読劇の佐藤さんの「おはようございます」の声と笑顔に緊張が現れていました。
二度目の小太郎役の松田くんは前回以上にやらなければ…そんなプレッシャーに押し潰されそうです。


こちらの四人が緊張しているのには理由があります。
稽古をしてから13日にちぶりの再会なのです。


本番前の稽古を見て思いました。
この人たち、あの日からの13日間、
ものすごーく読み込んできてるし、言葉の裏側を理解し、
やり込んできていると。



ムードメーカーは飯島直子さんです。
本番五分前。みんなが集まっています。次第に緊張感が高まります。
突然、飯島さんの発声練習の如くの呪文のような言葉が響きました。
「(セリフを)噛んであたりまえ、噛んであたりまえ」
その言葉に、そうだよね、そうだよ、噛んでいいんだよ、気持ちを伝えることが大切なんだよ、そんな空気に変わりました。
四人は「青空」を届けるために舞台へと上っていきました。
僕は彼らの背中を見送りながら、極力噛まないでね、と祈りました。



素敵な「青空」でした。
舞台から下りてきた時の四人の涙と笑顔。
やりきった四人にスタッフの力強い拍手。
スタッフ全員が陰ながら応援していたチームへの
拍手は面会のお客様が楽屋にやってくるまで続きました。




8/17。18時。
語り部・渡辺いっけいさん。大和少年・戸谷公人くん。麦・中島早貴さん。小太郎・平田広明さん。



このチームの特徴はお互いがお互いをリスペクトをしていることです。
ムードメーカーは平田広明さんです。
休憩時間を利用して公人や中島さんに的確なアドバイスをしてくれているです。
その光景、大人が子どもに指導している姿、素敵すぎました。



そして、いっけいさんです。
平田さんが大好きないっけいさんの語り部兼お父さん兼松原さんと小太郎の会話。
なんですかコレはーです。
凄かった! 凄すぎる!
セリフのキラーパスが凄まじかった。
愛に溢れているんです。
その二人に牽引されるようにアドバイスを受けた公人と中島さんが本番中にグングンと上達したのです。
どえらい作品を観てしまった。
そんな言葉がピッタリです。


終演後のいっけいさんは「あしたのジョー」状態です。真っ白になりました。
中島さんは感動で涙が止まりません。
いつもクールを装ってる公人に至ってはキラキラ瞳が少年です。
みんな、やりきりました。
出しきりました。
職人・平田さんはひとりタバコ盆で紫煙をくゆらせています。
オレの仕事は終わったぜ。
そんな言葉が聞こえそうです。



「青空」。観劇者の心に届いたと思います。



さあー千秋楽です。
イッセー尾形さん、國村隼さん、高野志穂さん、んで樫田塾生のTETSUYAくん。
楽しみで仕方がありません。
この座組みへの思いは後日、書かさせてもらいます。



「青空」。
この作品が一人でも多くの人の心に届きますことを願うばかりです。
明日、いえ本日、千秋楽です。