フリーター

2024/11/08

以前。プー太郎という言葉があった。
職に就いてない人や時々バイトをしてる人たちを呼称していた言葉だ。

「バイトだけで食っていくだと？
バカ！おまえはプー太郎になりたいのか！！」
あの頃、役者を目指すと言った息子に、
こうやって怒った親もいたと思う。

この、何ともイヤーなイメージの言葉を
払拭したのが「フリーター」という造語だった。
フリーアルバイターの「フリーター」だ。
「フロム・エー」というアルバイト情報誌の、
初代編集長の道下勝男さんが、
この言葉を誕生させた。

1982年「フロム・エー」の創刊号からライター参加の僕は、
廃刊号までの27年間、
お世話になりっぱなしだった。
気さくな道下さんは、
出入り業者の僕や方南ぐみライターを可愛がってくださり、
舞台未経験に近い僕に、
フロムエー主催の舞台の脚本を推薦してくれた。

リクルート退社後も、
舞台観劇に来てくれたり、
個人的に食事やお酒に誘っていただいた。
お酒が進むたびに「かしやんはいい。かしやんは頑張ってる」
常に褒めてくださり、
その言葉を、またもらいたいので頑張った。
エリート社員と出入りのライターだったが、
僕の中では気さくすぎる秘密の上司だった。

昨夜、道下さんのお通夜（お別れ会）でした。
悲しすぎる突然のお別れ。
74歳。早すぎます。

道下勝男さま。
紙媒体の楽しさを教えてくださったこと忘れません。
昨日のお通夜で知りました。
娘さんから聞きました。
明後日の「青空」公演の久慈市は、
道下さんの生まれ故郷のご近所。
楽しんで頑張ってきますね。

「青空」岩手県久慈公演

はじめての岩手県公演。
気心が知れた四人の出演者とスタッフとの再会。

先日の稽古、
涙が出るほど「いい話だよー」と興奮しました。
調子に乗って「誰が書いたんだよー」と言って、
「おいっ」とつっこまれるのも、この座組みでの快感でした。

お近くの皆さん、
是非劇場に遊びにきてください。