あたっく。小松準弥さん

2023/09/23

朗読劇「あの空を。」に出演してもらった時、
彼の持ってるピュアな心に魅かれ、
「あたっく」では僕の伯父・勝杜さん役と決めた。

3.11を体験した宮城県出身の小松準弥くんの中に、
「生きる」ことの意味を感じる。
辛い状況の中でも「笑顔」を作ろうとした体験が常に明るい前向きな彼が存在していると勝手に推測している。

劇中の勝杜は実にイキイキと生きている。
関わる人、全員を愛し、
前向きに前向きに生きている。
小松くんにピッタリなのです。

そして彼は、
稽古場でもそうだったように、
劇場に入ってからも変わらない。

憎めない笑顔で、
常に、こっそりと質問をしてくる。
こちらもこっそりとアイデアを提供する。
そしてチャレンジをする。

本日、本番2時間前もそうだった。
だからこっそりとアイデアを耳打ちした。
そして、
本番でやってのけた。
そのシーンに客席は涙に包まれた。

挑戦者。
彼にはこの言葉が似合う。

終演後のロビー。
瞳を真っ赤にした佐藤大樹と出くわした。
泣きすぎて顔が破裂寸前だ。
大樹との「あたっく」は何年前なのだろうか？
気合い注入しまくりの稽古だった。
「あたっく」に触れたことで大樹の人生観は変わった。
泣き腫らした瞳で「気合い入りました」と言う。
僕も同じ気持ちだ。
６年ぶりの「あたっく」。
どうしたって姿勢が正される。

楽屋に戻るとちょうど小松くんが帰り支度をしていた。
「準弥」と声をかけ「やったな」と言った。
彼は爽やかな笑顔で「はい」と答えた。