苦行のはじまり

NEW 2025/05/25

昨年5月、断捨離を決意した。

主人のいない実家の掃除を終えたとき、
自分自身の未来の体調に不安を覚え、
「元気なうちに、やろう」
そんな気持ちではじめたが、
これは大変なことだと気づかされました。

まずは本棚の中からだ。
いや、DVDにはまだ未練があるな…。
後回しにした。

カメラを担いで飛び回っていた編集プロダクション時代。
ンー。踏ん張っていたな〜あの頃。
20代30代の思い出が蘇る。
捨てるのは忍びなさすぎる。

いい加減にしろとハッパをかけて、
ほとんど使っていない書庫ルームに手をつけた。
ここは執筆に必要とした参考の本や資料部屋。
だが、
資料を見た時、あの日々を思い出してしまった。

断捨離とは、
過去の自分との決別なのかと思い知らされる。

うう。
これは切なすぎる作業だぞ。

苦行だ。
前へ進め。
進むんだ、どこぞの誰かの声が聞こえる。
誰だおまえは！
僕の心の声だ。
やる。
やるしかないんだ。

やるたびに、
ううう…思い出が…思い出が…。
僕は女々しすぎるのか？

この頃から、毎晩。
断捨離を決行した人たちのYouTubeにハマった。
見まくった。
見まくる日々だった。
この人たちは鬼なのか！　と思った日もあれば、
すごいなー。
潔いぃぃぃなー。
こうなりたいなーと思った時は、
勇気をいただき、
翌日の活力へと変わった。

そして。
思い出の本や資料や勉強勉強勉強のために
読みまくった大量の「月刊ドラマ」たちまでも
段ボールに片付けられた。
その数、16個。
この日、古本買取業者が来た。
悲しいお別れだった。

「かあさん、これが去年の5月の話です」
ここは「北の国」風に読んでください。