熱い男が熱すぎる

2023/05/27

「THE面接」

僕の作品の中でコレが、
役者にとっては一番難しい作品だと思っています。

舞台には、
椅子しか存在しない。
役者は隠れる場所も味方にする小道具すらない。
舞台を支配しているのは役者の呼吸と表情と台詞だけだ。

劇団EXILEの秋山真太郎くんが、
「面接をやりたいっ」と言ってきた時、
出演経験がある彼が、再びやりたいという意味と思っていたら違った。

秋山くんがプロデューサーとなって、
秋山くんが声掛けをした役者と「やりたい」という意味と知った。
彼の熱意は逞しく、
熱く熱く語ってくれたが、
僕は反対をした。

コロナが落ち着いてきたとはいえ、
いつ、どのタイミングでまた暴れ出すかもしれない。
もし、そのタイミングが稽古中や、
本番中だと中止や延期になる。
そうなった時のお金のリスクを教え、
朗読劇が無難だとアドバイスもした。

秋山くんの耳にこの意見は届かなかった。
「僕はストレートプレイをやりたいんです。
THE面接を。あの舞台を人に知ってほしいんです。
やりましょ、ね、やりましょっ。
やるべきなんです、ねっ」

劇団の中で特に熱い男が、
これまで以上に熱く語り、
そして、
僕は教わった。

コロナ禍の中で、
いくつかの舞台公演が中止となり、
その中で稽古が密にならない朗読劇をやってきた。
知らず知らずに僕の心の中に脅えと無難が生息していた。
ストレートをやりたいが、怖い。

後輩の秋山真太郎に教えられた。
俺、なにをビビってんだよ、
今を生きようよ、
今を必死にさ。

そんなわけで、
先日の本文の前付けとなりましたが、

突然ですが、
「THE面接」が動きだしています。