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母が僕を忘れはじめた

ガラス窓越しの面会がある時から中止になった。
詳しい理由はわからない。
噂によると施設使用者からクレームが出たとかなんとか…。
クレームの内容が不明だが、
もしそれが真実ならば全くもって合点がいかない。


本日。母親への六通目の手紙を職員さんに託した。
その後、施設に電話をして母に取り次いでもらった。
「こんにちはーしょーごです」
「あらーこんにちはー」
母親の声はとても元気だった。
一分ほど他愛のない話をしたとき母が言った。
「ところで、しょーごちゃんは、どちらのしょーごちゃんですか?」


ショックだった。
ショックだったが異様に明るく「息子のしょーごだよーハハハ」
「あー息子のしょーごちゃんですかー」


面会ができないこと。
顔を見て話ができないことで母は確実に現実世界から遠くなっている。
なんとかしなくては…。
だが、どうしたら…。


コロナが憎い。